モニター利用のお客様から

手であが~るの使用前・使用後

最近、モニターでお使いいただいた利用者様から実際に「手であが~る」を施設で使用してみた状況報告と感想をいただきました。

要領よくまとめていただいた上に忌憚のないご意見・ご感想も書かれていましたので、これから「手であが~る」の導入を検討されている方々にも参考になる情報ではないかと思い、投稿者様の許可をいただいて以下、転載をさせていただきます。

 

【使用環境】

使用対象車椅子 8台

※地面から車椅子水平パイプまでの高さは7.5㎝~20㎝でした。

日常の散歩などの外出時に主に使用しました。

使用する場所は施設正面玄関でマットが敷いてあるスペース。当施設は玄関(エントランスホール)で中履きに履き替えるので、車椅子の方は玄関でタイヤの汚れを落とす必要があります。

※玄関にご利用者の下駄箱があり皆さん靴を履き替えるのですが、あまりスペースがないので複数のご利用者が重なると混みあうことがあります。

 

施設の玄関(エントランスホール)

【手であが~る使用前】

これまでは床にバスタオルを敷いてその上を前後に押してタイヤの汚れを取っていました。

もしくは職員2名で行います。(一人は車椅子を傾けて車輪を浮かし、もう1名がタイヤを拭きます。)

 

 

【手であが~る使用後】

前後に動く必要がなく、その場でタイヤを拭くことが出来ました。

 

 

 

車椅子の形状によってはこのように横から入れて使っています。

(重心の方の車椅子は構造上、後ろから手であが~るを挿入しづらく横から入れる方法で行うこともありました。)

 

 

【感想】

・狭いスペースでタイヤの掃除をすることが出来る。

・しっかりタイヤの汚れをふき取ることが出来る。

・少しの力で車椅子を持ち上げることが出来る。

・一人で丁寧に拭く事が出来るが、当施設の以前のやり方より早くなる訳ではなかった。

・車椅子の高さによってはその都度U字受けを回して高さの調整をする必要がある。

・試した8台の車椅子の内、2台は短いU字受けでは高さが足りず、長い方のU字受けに付け替える必要があった。高さの異なる車椅子のタイヤ拭きを続けて行う場合には時間を要した。

 

【結論】

前向きに購入を検討しています。「時間の短縮」というよりは「丁寧に、わずかな力とスペースで操作が出来る」という点で効果的であると感じました。

 

 

★ライフジグ担当からの付け足し事項

実際に使用していただいた現場からの生の感想だけに深く同意しながら拝見しました。現実に使用されている様々な車いすに対して工夫してお使いいただいた貴重なコメントに感謝し「手であが~る」のメリットも残された課題もそのまそっくり受け止めさせていただきます。

確かに高さの大きく違う車いすについてはアダプターの交換や調整が必要で時間がかかってしまう問題があります。これは今回、高・低2本の手であが~るで対応していただくご提案をさせていただきましたが、より迅速に高さ調整のできる改善を今後、施したいと考えています。

今後とも皆様からの忌憚のないご意見や、こんな使い方もあったよ、みたいな気付きもありましたら是非、お知らせください。

 

空飛ぶクルマの流行り廃り

車いすならぬクルマが飛んだ

LIFE JIGの空飛ぶ車いす計画について以前、触れましたけれど、今回、話題にするのは空飛ぶクルマです。

な~んだ、知ってる、それドローンに人を乗せたような電動マルチコプターのことでしょ?と思われた方は時代の潮流に乗っているトレンディな方です。

今回、お話したいのは下の写真を見てもらうとわかるように実際にクルマが飛んでいるタイプのものです。

 

 

翼も尾翼もあって飛行機的な要素は備えているのですが、胴体はそのまんまクルマです。

これはこの空飛ぶクルマが地上に置いてある姿を見てもらうと明らかです。

 

 

翼を収納して地上走行をする形態では、ほぼほぼスーパーカーです。この状態だと尾翼はダウンフォースを得るレーシングマシンのリアウィングそのものです。もしかすると車輪に駆動系統はなくプロペラ推進なのかも知れません。さすがにそれは怖いですかね。

 

 

主翼は50%コードで半分に折れ曲がる構造のようです。収納は翼弦を半分に折りたたんだ後、上方へ90度はねあげ、更に後方に倒して胴体内に埋め込まれます。テールブームも二重構造のスライド式で飛行を終えた後は胴体内に引き込まれ全長を短縮します。最後にガルウィングのドアを閉めると空飛ぶクルマは地上を走るクルマに早代わりです。

 

 

これは、もうほとんどトランスフォーマー的パフォーマンスですね。従来であれば、映画007シリーズの新兵器として登場してもおかしくはない代物ですが、これがジェームス・ボンドのイギリスではなく、スロバキアで開発された車であると聞くと、なぜこれが今、開発されているのだか見当がつきませんが開発するクラインビジョン(Klein Vision)は個人によるレジャー、自動運転などに加え、タクシーでも利用できるとアピールしているそうです。

スペックも、あまり詳しいことはわかりませんがエンジンはBMWの1.6リッターだそうですから出力は180馬力くらいでしょうか、機体重量は1100kgといいますから、この重くなりそうなメカニズムを収容しての重量としては優秀というべきではないでしょうか。

 

 

上から見ると胴体がクルマだということがよくわかります。飛行機では幅の広いサイドバイサイド。イメージ的には胴体もある程度主翼の一部として揚力を負担している形になっているのでしょう。

構造は複雑になりますが、空力については今までのクルマに翼をつける空飛ぶクルマのなかでは悪くない感じですかね。

 

 

 

 

ただし、これが一般に広く普及するかというとそれはなさそうですね。

それは空を飛ぶということと、地上を走るということに要求される特性が大きく異なっているということが要因ではないかと思います。

長距離は効率の良い飛行機で、飛行場にレンタカーを置いておき地上の近場はクルマで、これが現実の移動においてはリーズナブルってことに昔からなっているようです。

ただ、この秘密兵器的な楽しさやトランスフォーマー的なビジュアルな魅力はあるので、今後も様々な新種が現れるであろうことは想像に難くありません。

LIFE JIGの考える空飛ぶ車いすも車いすに主翼・尾翼をつけたようなものではありません。車いすからそのまま効率の良い航空機に乗り込めるタイプのものです。

現在の航空機はオートパイロットやフライバイワイヤが一般的であり操縦するのに足は必要ありません。ジョイスティックだけでも動かせますから電動車いすの延長です。

かくして空飛ぶクルマは多分に余興的なもので終わるかも知れませんが、空飛ぶ車いすは車いす利用者の行動半径を飛躍的に拡大するのに役立つでしょう。