そもそもジグってな~に?

今更ですが・・・

「手であが~る」を販売しております合同会社ファーストハンド・コミュニケーションのものづくり工房ライフジグです。

ライフジグと聞いて皆様はどんなものをイメージされるのでしょうか?

それ自体、何かを意味するのではなく、ライフ(生活・命)とジグ(治具)をかけた造語なのですが、私が初めてのお客様に電話をすると、私のカツゼツのせいか「え?ライフ事務ですか?」というと問い返しを受けることがままあります。

おそらくライフは一般的に認識されてるけれどジグという言葉が広く一般社会に浸透している言葉ではないのも原因だと思い、今回はジグについて今更ではありますが改めてご紹介をさせていただこうと思います。

多分、石垣島でジグって言ったら、釣具好きな人であればきっとこれを想像されるはずです。

 

そう、釣りをするときの疑似餌であるルアーのうち、金属で出来たものをジグと言ったり、メタルジグと呼んだりします。

すなわち釣道具の仲間として、釣具屋さんに売っているものを想像されていると思います。

しかしながら航空機工場に勤務していた職歴もある私にとってはジグは英語では”JIG”ですが、日本語では”治具”の漢字を当て、精度の高い工作には必需品である下の写真のようなものを頭に浮かべます。

 

 

これのどこがジグかと申しますと、黄緑色の部分が製造物(多分、翼だと思います)だとすると、その外側をがっちりと固めて保持しているグレーの部分がジグと呼ばれているものです。

精度の要求される製造物を作るには、正確な位置に部品を取り付けたり、穴を開けなくていけないのですがそれを保証してくれるものがジグというわけです。

同じ航空機の部品でもこんな写真もありました。

 

 

これもおそらく翼の中に入っているウェブと呼ばれる部材ではないかと思いますが、ジグに据えつけられた状態で作業者は部品を取り付けたり、穴をあけたり、リベットを打ったりして図面どおりの正確な製品を作り上げてゆくのです。

すなわちジグとはそれ自体が製品ではありませんが製造時に製品の精度を保つために必要になる不可欠のパートナーというわけです。

GOOGLEでジグをひいても、「加工物を工作機械に取り付け、刃物を正しく当てるために使う道具。」と書かれていますから、ほぼ上述の理解で間違いないのかなと思っています。

 

 

そこで最初のライフ・ジグの話に戻ってみると、ライフジグ=生活のクオリティ(QOL)をあげるために必要な道具、これを提供する工房だと解釈していただくと、私たちの理念に近いかなと思っています。

「手であが~る」自体は話し相手になってくれたり、単独で介助をしてくれたりするものではありませんが、これを使うことによって車いす利用者の行動範囲が広がったり、介助者の負担を和らげたり、より徹底した衛生管理につながったりすることで、車いすのある環境で幸せなライフのお手伝いができたら幸せに思います。

ついでにこれを機会に「もしもし。あ、ライフジグさんですね」と初めての電話にも対応していただけるようになると個人的にも嬉しいなあ・・・。

 

 

介護ロボットフォーラム

オンライン開催

1月29日、日本テクノエイド協会主催の介護ロボットの全国フォーラムがオンラインで開催されました。

弊社の「手であが~る」はツールであり、介護ロボットではないと思いますが、貢献する現場感は近いと考え、フォーラムで学んだことの中から少し気づいたことを書きたいと思います。

それは現在の日本がおかれた人口構成と介護の実情です。

 

 

現在でも日本の少子高齢化は社会問題のひとつですが経済産業省の推計によれば今後40年で高齢化率は35%を超え、世界の中でも日本は高齢化がもっとも進んだ国となります。これは先進国中とか言う話ではなく全世界でです。

 

もう少し具体的にみてみると平均寿命は世界一で、今後も30年間は高齢化率トップを走り続け、その後から韓国が迫ってくるという情況です。

そうなると必然的に介護の需要は増え、それに対応する介護人口が気になりますが、介護への求人についてはどうなのでしょうか?

厚労省社会保障審議会介護給付分科会の資料を見ていただくと分かるとおり、2017年の業種別有効求人倍率では介護関係職種は他の業種を圧倒しています。すなわち介護業界では圧倒的に、そして慢性的に人手不足。

3K職種に入れられるようなきつい労働環境からも、国内ではあまり急増が期待できない職種なのです。そして今のコロナ禍の情況などをみても介護のために国外からの応援をいただくことこも難しいと思われます。

 

そしてこの若者からお年よりへと続く人口構造は21世紀型で安定するまで、あと20年以上はかかると見られるのです。また上記の資料に従うと現行の社会保障制度はバブル経済前の時期に作られたものであり、現実であるバブル崩壊後の経済状況と人口構成にはそぐわないものになっていることが容易に理解されます。

 

さて以上からの大雑把な把握ではありますが、今後、介護される人は増えるにも関わらず、介護の職につく人の急増は期待できない。介護の質を維持しながら、厳しい財政も破綻をさせないためには介護現場のロード軽減し必要人数を減らすこと、職員の処遇の改善を図ることなどが求められます。

こうした中で介護現場から求められているのが自動化であり、今回の主題でもある介護ロボットなのです。

従って、バブル期よりも格段に進化したITネットワークやセンサー類をフル活用、IOTやAIを総動員して、職員の負担軽減と自動化による費用削減、逆に人間しかできない部分に人間を配置するリソースの合理的再配置が必要とされているように感じました。

特に身体の移動や排泄関係に関しては重労働となり、精神的にも身体的にもきつく職業病とも言える腰の痛みなどで離職を余儀なくされ、更なる人手不足を招いている点で、この領域での介護ロボットへの期待は今後ますます強くなるものと考えられます。

その意味では「手であが~る」はあくまで人間の延長でスーパーロボットではありませんが、車いすの車輪清掃という介護者への身体への負荷を軽減するものとしてしては時代に沿った簡単ツールとして介護ロボットと合わせてご利用いただけたら、と思っています。

 

「手であが~る」ご利用者様からの声

 

デイサービスや散歩など外から戻ったときに車いすから移乗させることも身近な介護者からすれば重労働です。その点、「手であが~る」は利用者を乗せたまま車輪清掃ができます。毎日の車輪清掃の手間が少しでも省けて、利用者との会話など他の事に労力をまわす心の余裕に貢献できたら嬉しいと思っています。

「手であが~る」は電気も使わず、使うのにマニュアルも不要です。超アナログな原始的テコですが技術の最先端のロボット共々よろしくお願いします。