低さへの挑戦

ライフジグへのお問い合わせで多いのは、今、ご自分の利用されている車いすで「手であが~る」が使えるか試してみたいというモニターのお問い合わせです。

その際に、まずご確認をさせていただいているのがジャッキアップするためにかける水平パイプと床面からの高さです。

普段10cmから20cmまでの通常型車いすに対応していますと説明をさせていただいているのですが、中にはこんな車いすでも使えますか?とのお尋ねがあります。

 

 

拝見したところ、水平パイプに「手であが~る」をかけるところはあるのですが、その床からの高さが気になります。

おそらく8cm程度だと思われます。

「手であが~る」が最低地上高さを定めているのは、持ち上げたときの角度にその理由があります。

高さ調節ネジをまわしパイプをかけるU字受けを目一杯に低く下げた場合の「手であが~る」の様子を見てみましょう。

 

 

 

低い車いすにあわせて短いU字受け(S)を使い、最大限に下げた場合です。この場合U字受けの座面の高さは床から約10.5cmとなります。

地上にある場合が8cmですから、約2.5cm垂直方向に持ち上げた状態になります。

一方、利用者を車いすに乗せたままタイヤ清掃をしていただく場合、車輪が自由に回転できるように地面から浮いてさえいれば良いので0.5cm~1.5cm程度の持ち上げ幅になっていることが安定的にも操作力の面でも好ましいと言えます。

その面で、上記の2.5cmは持ち上げすぎていて傾きが気にならないかということが危惧されます。

 

 

ただ、それだけで「この車いすには利用できません」とお断りするには後ろ髪を引かれるような思いがありました。

そこで、今回、こんなことを考えてやってみました。それは調整途中の高さでお使いいただく場合にU字受けのガタ止めとして入っているロックナットを取り外してしまうことでした。下げ切った状態ではネジは下端で止まるのでロックナットは不要です。これと通常U字受けよりも更に短い特注のU字受けとを組み合わせることで最低限界高さを1cm以上下げることができました。

これだと高さ的には水平パイプ高8cmの車いすを持ち上げても、高さの変位を1.5cm以内に収めることができ、現在の「手であが~る」をそのままお使いいただけるのではないか?

実際、お客様にもこの状態でモニター機をお送りしたところです。まだチャレンジの段階ですが、お客様からの反応が良好であれば、これを「LOW TYPE CUSTOM」として今後、ラインアップに加えることも考慮しようかと考えています。